はじめに
楽天グループの本社である楽天クリムゾンハウス(東京都世田谷区・二子玉川)は、オフィスという枠を超えて「働く+生活する」場として設計されています。まるで一つの「街」のようなビルを舞台に、社員の“暮らし”と“仕事”を融合させることで高いパフォーマンスと豊かな毎日を両立させようという狙いがあります。
本記事では、オフィス空間の特徴、設計の意図、そして最新の働き方トレンドとの関係を整理しながら、楽天クリムゾンハウスがどう「働く場」を再定義しているかを掘り下げます。
オフィス概要とコンセプト
- 楽天クリムゾンハウスは、二子玉川ライズ・タワーオフィス(地上30階・地下2階)内にあり、2階〜27階までを占有。延床面積は約6万3千㎡超という大規模な本社拠点です。 OFFICELOVERS – 世界のオフィスデザイン紹介メディア+1
- 立地は東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅から徒歩4分ほど。自然や住宅地、商業機能が近接する環境に位置します。 楽天グループ株式会社+1
- コンセプトとして掲げられているのは「人とアイデアがOPENに行き交う場所」「WORK × LIFE を豊かにする場」など。オフィスを「ただ働く場所」ではなく「暮らしを支える場」にする意図が明確にあります。 楽天グループ株式会社+1
空間の特徴:街のようなオフィス設計
- 社員食堂・カフェテリアの充実
社員食堂は朝・昼・夕の3食を無料で提供しており、社員が“同じ釜の飯を食べる”という文化を大切にしています。健康配慮されたメニュー、宗教・食習慣に配慮したメニュー(ハラルなど)も用意されている点も特徴です。 OFFICELOVERS – 世界のオフィスデザイン紹介メディア+1
この食堂空間はただ食べるだけでなく、打ち合わせや息抜き、カジュアルな交流が起こる“場”としても機能しています。 三光エンジニアリング - ライブラリー・ジム・託児所などの生活機能
オフィス内にはフィットネスジム&スパ、託児所、コンビニエンスストア的な“楽天クリムゾンストア”も設けられています。社員の心身の健康と生活質を高める設えが整っています。 楽天グループ株式会社+1
これにより、「仕事するだけでなく、暮らすように働く」環境が整っており、オフィスが“居場所”としての役割を兼ねています。 - オープンなフロア構造・コミュニケーションの仕掛け
パーティションの少ないオープンスペース、スタンディングテーブル、電動昇降デスクなど、自由な働き方を支える設計が採用されています。 OFFICELOVERS – 世界のオフィスデザイン紹介メディア+1
また、内階段や吹き抜け、階をまたぐ回遊動線なども取り入れられ、「移動して偶然出会う」機会がデザインされています。 三光エンジニアリング - 「街」的なビルまるごと設計
1棟を丸ごと占有することで、社内・社外・生活機能が一体化。ビル全体が“働く + 生活する”拠点として設計されており、「オフィスは生活圏でもある」ことを象徴しています。 三光エンジニアリング+1
狙い:生活圏とオフィスを融合させる意味
- 社員が長く快適に働ける環境整備は、単なる福利厚生ではなく、企業としての競争力・パフォーマンス向上に直結するものと捉えられています。
- 「出社する価値」が問われる時代だからこそ、オフィスに来ることで得られる体験(交流、刺激、場の雰囲気)があることが重要。楽天クリムゾンハウスでは、これを「暮らしの質+働く質」という形で実現しています。
- 社員が“ここにいたい・ここで働きたい”と思えるような場をつくることで、離職防止・採用力強化・企業文化醸成なども狙われています。
- また、生活機能を備えることで、オフィスにいる時間・出社頻度の最適化を促進し、働き方の多様性(リモート・フレックス)とオフィス活用のバランスを取る設計にもなっています。
働き方トレンドとの関係・示唆
- 在宅・リモートワークが広がる中、「オフィス=必ずしも行く場所ではない」という視点が強まっています。そのためオフィス自体に“行きたくなる理由”を持たせる必要があります。
- オフィスに暮らしの機能を付加することで、「オフィス=働くだけの場所」から「働く・交流する・リフレッシュする場」へと役割が変わっています。
- 多様な働き方(集中作業・コラボレーション・リラックス)が同じ空間で選べるようになることで、社員の能動的選択を促し、パフォーマンス向上につながります。
- 「場の経験価値」がより重視されるため、単純なレイアウト変更だけでなく、施設・環境・動線・体験まで含めた設計視点が求められます。
まとめ
楽天クリムゾンハウスは、「働く」を中心に据えつつも、「暮らす」「交流する」「リフレッシュする」といった要素をオフィスに融合させた先進的な事例です。
ビル全体を一つの“街”として捉え、社員がそこで“長くいたい”と思える環境をつくることで、働き方の変化にも対応し、ブランド価値・社員の幸福・企業成長の三つ巴を実現しようという姿勢が読み取れます。
このようなオフィスづくりは、今後の働き方トレンドにおいてますます重要性を増していくでしょう。
