事業拡大やなんらかの移動でオフィスの移動が必要となった場合、移転にかかる費用は引越し費用だけではありません。
ここでは、オフィスの移転に伴う詳細な費用内訳と、初期費用の負担を軽減できるシェアオフィスの特徴について詳しくご紹介します。
オフィスを移転するには大きな費用がかかる
人員の増加や設備の整備、業務拡張などに伴うオフィス移転。
業種によっては移転費用が大幅にかかってしまう場合もありますが、賃貸オフィスを利用していた場合の一般的なオフィスの移転費用について見てみましょう。
- 旧オフィスの退去に伴う費用
- オフィスの引越し費用
- 新オフィスに必要な費用
旧オフィスの退去に伴う費用
これまで使用していた旧オフィスは、退去に伴って原状回復する必要があります。
長く使い続けてきた間に壁紙や床など、全て借りる前の状態に戻すためには、坪単価×30,000~50,000円程度の工事費用が必要となります。
立地やオフィスが入っていたビルの状態、回復箇所や程度によって費用も異なるため、見積もりの段階で細かく確認しておくのがよいでしょう。
退去までの期間は、引越し準備や工事など、完全に明け渡すまでの日数が必要となります。
移転が決定されてから完全退去までの日割り計算で水道光熱費や家賃の費用がかかることも抑えておきましょう。
費用の目安は1カ月分の家賃・水道光熱費/30となりますが、契約によっては異なる場合もあるので、確認しておきましょう。
オフィスの引越し費用
オフィスの移転時には多くの荷物や設備の移動が必要となります。
大型設備や家具などの場合、必要によっては階段を使用することや、クレーン車の手配が必要になってしまうことも……。
オフィスの規模や荷物の大きさ・量によって費用は異なりますが、おおよその目安としては、従業員1人あたりにつき30,000円ほどの費用が発生することをイメージしておきましょう。
また、移転に伴って古くなった設備や家具、不用品の廃棄なども発生します。
回収業者によっても費用はそれぞれですが、一般的な料金相場は2トントラック1台分で70,000円~が目安となります。
新オフィスに必要な費用
移転前には移転先のオフィスの整備を整えておく必要があります。
まずはオフィスの契約金として、保証金(敷金)や権利金(礼金)、不動産へ支払う手数料などが必要となります。
保証金は賃料の6~12カ月分、権利金は賃料の1~2カ月分、不動産手数料は賃料の0.5~1カ月分が目安となります。
さらに、新オフィスの環境整備に伴う内装工事費がかかります。
サーバーを新しく設置する、新たに家具を購入するなど、新オフィス移転に伴う工事費用は規模や内容によって大きな差が生じます。
最低限の設備工事や内装工事のみで坪×10万円~、ブランディングを含めた新オフィスの改装なら、坪×30万円~が目安となるでしょう。
このほか、ネットワーク回線や電話線などの工事費用も必要となります。
電話回線工事の費用は、1人あたり30,000円~程度、ネットワーク回線工事の場合は、1人あたり20,000円~が目安となります。
全体を見てみると、オフィスの移転に伴う費用は莫大なものです。
できるだけ予算内で収めたいなら、事前のシミュレーションをしっかり行い、ある程度の費用を把握しておく必要があります。
オフィス移転にかかる時間と流れ
満足できるオフィス移転には、移転のための目的やコンセプト、ブランディングやスケジュール調整などが必要です。
これからのランニングコストを抑える、洗練されたオフィスにしたい、業務効率をアップさせたいなど、目的はそれぞれ異なることでしょう。
目的が明確になれば、それに見合った物件探しが始まります。
利便性、オフィスビルのグレードや周辺環境など、予算やコンセプトに見合った物件をじっくりと選びましょう。
物件が見つかったら、賃貸契約を行い、移転スケジュールの作成、新オフィスで必要となる設備や家具の準備、新オフィスのレイアウトプランニング、各業者への手配、当日の現場管理などを行うことになります。
オフィスの規模やブランディングによっては、かなりの時間を費やすことにもなるため、スケジュール計画は余裕を持って早めに行動できるようにしておきましょう。
初期費用を抑えるならシェアオフィス
多くの費用と時間、様々な手続きなどが必要となるオフィスの移転ですが、昨今注目を集めているシェアオフィスを利用するという手段もあります。
シェアオフィスは、近年首都圏を中心として飛躍的にニーズが高まっているオフィス形態です。
仕事に必要な業務設備はもちろん、デスクや椅子、家具などが完備されているので、オフィス移転に伴う莫大な費用を大幅に抑えることができます。
そのほか、電話やインターネット回線などの環境整備も万全で、水道光熱費などの料金もシェアオフィスの月額料金に含まれます。
大掛かりになりがちなオフィス移転も、移転先の環境やサービスが充実していれば、かなりの節約ができます。また、業者とのやりとりなどで時間を取られることもありません。
一般的なシェアオフィスへオフィス移転をした場合、どのスペースを利用するかにもよりますが、1日のみの利用の場合の使用料は4,000円程度が目安。出張時やシェアオフィスの体験などに利用することができます。
入会金+保証料がそれぞれ月額料金の1カ月分。
月額料金はシェアオフィスの立地によってことなりますが、フリースペースの利用の場合、およそ40,000〜50,000円程度が目安となります。
個室スペースを利用する場合は、個室の広さによって料金が異なるため、70,000~30万円程度が目安となるでしょう。
もちろんこれらには、インターネット回線料金や来客スペースの利用、水道光熱費などが含まれているため、一般的に賃貸契約をした時との比較をしても、初期費用やランニングコストを大幅に抑えられるという点も大きなメリットとなります。
オフィス移転を考えているなら、ぜひこの機会にシェアオフィスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。